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「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んだ感想

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まえがき

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話題になっていた(今も?)本。タイトルが強い。興味を惹かれすぎる。

「仕事とスマホで毎日を終えたくないあなたへ」という帯がついているけれども、これは説明過多というか過剰修飾というか、余計なお世話感を感じる。タイトルがすでに最高なのにな。

だけど、これくらいわかりやすい、目に飛び込んでくるようなコピーがないと、書店映え=いわゆる売れ線なノリにはならないのかもしれない。

読書に限らない趣味全般の話

タイトルや内容は本・読書に限って深掘りされているが、受ける印象は趣味全般に通じる話だった。

読書という行為は、時代ごとにどんな立ち位置だったのか。どんな扱いを受けて、今に至っているのか。さすが大学院まで進んだ人がする研究だなあと思う。歴史や労働者などしんどめの話題にも深掘りしていくのに、退屈感なく読めるのもすごい。

時代を追っていくと、現代の読書がどのような立場にあるのか、よくわかるし腑に落ちる。最近よく見かける本の傾向が、ビジネス書や自己啓発に偏りがちになっている理由も頷ける。

本の中では【花束みたいな恋をした】という映画の「もうパズドラくらいしかできない」というセリフがたびたび引き合いに出される。これがタイトルにもある【なぜ本が読めなくなるのか】を紐解くきっかけになっていく。

息抜きにならないんだよ。頭入らないんだよ。パズドラしかやる気しないの

趣味にも重さがある

恋愛の話で「この人は重い」とか言うことがあるけど、この本を読んで「趣味にも重い・軽いがあるんだ」と気付いた。

それでいうと読書は「重め」の趣味に該当する人が多いと思う。余裕がないとできない。その余裕の正体が気力なのか、お金なのか、時間なのか、は人によるだろうが。

かつ、読書は”高尚”とか、”時間的価値が高い(=コスパ・タイパが良い)”なんてイメージも持たれがちだ。みんな「本が読めるようになれたらいいな」となんとなく思っている。だからこの本もすごく売れたんだろう。

反対に、tiktokとかyoutubeショートみたいな短いタテ動画、インスタグラムやXなんかのSNSは「軽い」趣味だろう。アカウントさえ作っちゃえば誰でもいつでもできる。

こういう軽くてインスタントな趣味は時間がないときや、追い詰められているときにストレス解消にはいいかもしれない。問題はこれが常習化して、気力や時間を奪い始めたときだ。

重い趣味もできるくらいの時間があったのに、ショート動画をスワイプしまくっているうちに一時間経っちゃうとか。Xとかインスタを見てイライラするとか。外から見ればどう見ても余計なんだけど、もう趣味がそれに偏っちゃっているから、抜け出せないのだ。

読書に限らず、みんな本当は重い趣味がやりたい。でも余裕がない。だから軽い趣味でストレスを発散して日々をやり過ごすんだけど、それだけじゃ満たされない。結果、軽い気持ちでできるSNSの民度が下がりまくっている。

批判されがちな最終章

さてこの本、話題になって売れている本にしてはかなり賛否両論のように見える。特に最終章とあとがきの部分。

なぜか。それはタイトルの問いに対して、この本だけでは答えきれていないからだと思う。

著者の意見では、「仕事に全身全霊をかけないといけない社会」が問題点として挙げられている。個人的には大いに頷ける。

「仕事に重心を傾けざるを得ない」のは社会人としてある種しかたないことだと思うけど、問題はそれが重すぎることだ。仕事:趣味=60:40くらいなら趣味にまわす余裕を持てそうだが、現代だと80:20とか90:10みたいになってしまっている人が多そう。

50:50とか30:70くらいじゃないと身が保ちません、という人もいるだろうし。そういう人が無理して正社員フルタイムで働くと身も心も壊してしまうんじゃないか。

でもこの問題を解決しづらい状況に置かれている人もいる。だから「働いていると本が読めない」という悩みを抱えてこの本を買った人全員に対して、解決策を提示できたわけではない。

その結果、「求めていた答えが載ってない!」という期待はずれに終わった人が批判したい気持ちになっているんじゃないかな。著者自身が退職(独立)というルートをたどってようやく本を読めるようになった、というエピソードもまた火に油感がある。

著者もつらかったはず

上にも書いた通り批判する側の気持ちは充分にわかる。でもたぶん、この結論に至った時の著者がいちばんつらかったんじゃないかと思う。

これだけ歴史から学んで考察して、至った結末が「自分だけでは解決できない問題」なのはつらすぎる。著者自身も、もっとグッとくるというかピタッとハマるような結論を探し求めていたはず。こんな状況に陥ってもよく出版してくれた。

もちろん、自分だけで解決できることだって少なからずある。転職とか引越しとか。それこそフルタイム正社員というレールから降りたっていいと思う。リスキーな選択肢ではあるけれども。

でも社会ごと変わらないとできないことのほうが圧倒的に多い。週休三日とか、労働時間短縮とか。

この本が売れたこと自体、世の中へのメッセージになったはず。著者の狙いとしては成功している部分がありそうだ。

体調管理にも通じる

これだけ記事を書けるくらい、単純にヒトとして読んでもおもしろかったけど、職業人としても感じるところがあった。

僕は普段パーソナルトレーナーとして働いている。健康を手助けする仕事のひとつだと思っている。趣味の時間が取れないのと同じくらい、体調管理の時間を取れていない人も多い。

ここで言う体調管理とは睡眠・運動・食事あたりを指している。睡眠を削って趣味の時間をつくる、みたいな状況も中々まずい。

身を粉にして働いてお金やキャリアを得ても、心や体を壊してしまったら一気に価値が減ってしまう。いいポジションを得たって、働けなくなればクビになる。老後に旅行を楽しみたくても、足腰が弱いと行けない場所も多い。

不健康になったのをきっかけに、人生が崩れていってしまう。そんな人をたくさん見てきた。

特に、バリバリ動けていた人からすると、自分が使い物にならなくなっていく感覚はほとんど絶望だ。仕事や趣味が楽しいのはいいことだけど、それならその楽しさがずっと続くように、健康にも気を配っておいたほうがいいと思う。

運動・食事・睡眠は健康維持の最たるものの一種。ぜひみんなに心がけてほしい。特に運動なんて、面倒だったり習慣化が難しいなら、パーソナルトレーナーをつけて外注しちゃえばいいんだから。

あなたの働き方は大丈夫ですか。

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書いた人

まーしー

本業はパーソナルトレーナー・整体師です。
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